【60分:動画講座】申請手続きのプロが教える!全省庁統一資格を取得するための基礎セミナー

行政書士法人スマートサイドは、全省庁統一資格の取得手続きの専門家として、情報発信に努めています。その一環として、60分の動画セミナーを開催しました。この度、全省庁統一資格の取得をご検討中の方に、特別に、WEB上で動画セミナーを視聴できるように環境を整えました。弊所にご依頼を検討中の方はもちろんのこと、全省庁の入札に興味があるという方はぜひ、視聴してみてください

資料は、下記のリンクからダウンロードできます。

はじめに

みなさん。はじめまして。行政書士法人スマートサイド、行政書士の横内です。このページでは、「申請手続きのプロが教える 全省庁統一資格を取得するための基礎セミナー」と題して、国の機関である「省」や「庁」の入札に参加するための資格である「全省庁統一資格」について、解説していきたいと思います。

当セミナーの概要

申請手続きのプロが教える 全省庁統一資格を取得するための基礎セミナー
第1章 全省庁統一資格を取得するための基礎知識
第2章 全省庁統一資格の取得の仕方
第3章 等級の決定方法と発注予定価格
第4章 電子証明書の取得とPCの環境設定
第5章 全省庁統一資格の申請は行政書士法人スマートサイドへ
書籍 全省庁統一資格を取得したい人のための書籍のご案内
最後に 全省庁統一資格の取得でお困りの人へ

第1章:全省庁統一資格を取得するための基礎知識

第1章では、全省庁統一資格について知識が全くない人のために、「ゼロ」から全省庁統一資格について、基本的な事項をわかりやすく解説していきたいと思います。

(1)全省庁統一資格とは

「全省庁統一資格」という言葉を初めて目にする人、耳にする人もいるかと思いますが、「全省庁統一資格」とは、国の機関である省庁の入札に参加するための資格を言います。もし、みなさんが○○省や○○庁の入札に参加したいと考えた場合、まずは、全省庁統一資格という入札参加資格を取得しなければなりません。

「省や庁の入札に参加するための資格」それが、全省庁統一資格であると理解してください。

(2)よくある質問

弊所によくある質問・問い合わせとして、「入札に参加するための手続きをお願いします」というお客さまからのご連絡を頂くことがあります。しかし「入札に参加するための手続き」というのは、発注機関である行政によって全く異なります。

例えば、省庁の入札に参加するのか?東京都の入札に参加するのか?都内の区市町村の入札に参加するのか?それとも、埼玉県の入札に参加するのか?大阪府の入札に参加するのか?というように、どの自治体、どの行政機関、どの発注機関の入札に参加したいのか?によって、手続きが、まったく変わってきます。

そのため、「入札に参加するための手続きをお願いします」という表現は不正確で、「○○の入札に参加したい」という入札先を明確にしていただく必要があります。「なんとなく入札に参加できたらよいな」「どこでもよいから、手っ取り早く公共の案件を落札したい」という考えだと、手続きのしようがありません。

まずは、どこ(どの発注機関)の入札に参加したいのか?を明確にしていただく必要があります。

(3)東京都と全省庁の比較

たとえば、「東京都の入札」と「全省庁の入札」を比較した場合、以下のような違いがあります。

東京都 全省庁
資格の有効期間 最大で2年 最大で3年
更新手続き 2年度ごとの更新が必要 3年度ごとの更新が必要
必要書類 登記簿謄本、財務諸表 登記簿謄本、財務諸表、納税証明書
システム 東京都電子調達システム 統一資格審査申請・調達情報検索サイト

このように、東京都と全省庁の入札は、まったくの別物です。たとえば、防衛省が東京都内にあるからといって、東京都の入札参加資格を持っていれば、防衛省の入札に参加できるわけではなく、防衛省の入札に参加するには全省庁統一資格を持っている必要があります。

東京都の入札参加資格を持っているからといって、省庁の入札に参加できるわけではありません。同様に、省庁の入札参加資格を持っているからといって、東京都などの自治体の入札に参加できるわけではありません。

この点については、入札に参加するための資格はどれも一緒」と勘違いをしている人もいますので、事前に理解しておいてください。

(4)対象業種

全省庁統一資格は、資格の種類が4つに分かれていて、さらにその資格の種類ごとに営業品目が定められています。申請の際には、自分の会社が、どの営業品目を選ぶのか?を選択しなければなりません。

物品の製造

(全27品目)

物品の販売

(全27品目)

役務の提供

(全15品目)

物品の買受け

(全2品目)

衣服類

ゴム類

土石製品類

非鉄金属

フォーム印刷

その他印刷

図書類

電子出版類

紙類

車両類

輸送器具類

船舶類

燃料類

家具類

一般産業用機器

電気機器

電子計算機

精密機器類

医療用機器類

事務用機器類

その他機器類

医薬品類

事務用品類

土木建築資材

警察用装備品類

防衛用装備品類

その他

衣服類

ゴム類

土石製品類

非鉄金属

フォーム印刷

その他印刷

図書類

電子出版類

紙類

車両類

輸送器具類

船舶類

燃料類

家具類

一般産業用機器

電気機器

電子計算機

精密機器類

医療用機器類

事務用機器類

その他機器類

医薬品類

事務用品類

土木建築資材

警察用装備品類

防衛用装備品類

その他

広告・宣伝

写真・製図

調査・研究

情報処理

翻訳・通訳

ソフトウエア

会場借り上げ

賃貸借

建物保守管理

運送

車両整備

船舶整備

電子出版

防衛品類の整備

その他

立木材

その他

全省庁統一資格の営業品目は、大きく「物品の製造」「物品の販売」「役務の提供など」「物品の買受け」という4つのグループに分かれています。「物品の製造」は27営業品目、「物品の販売」も27営業品目、「役務の提供など」は15品目、「物品の買受け」は2営業品目に細かく分けれています。

合計で、71個の営業品目に分かれています。なお、全省庁統一資格の中に「公共工事」は含まれていません。

(5)資格の有効期間

全省庁統一資格の有効期間は最大で3年ですが、必ず3年間有効というわけではありません。「令和1.2.3年度の資格」「令和4.5.6年度の資格」「令和7.8.9年度の資格」といったように、3年度ごとに資格の有効期間が区切られていますので、3年度ごとに更新の手続きが必要になります。

(6)資格の申請受付

資格の申請受付は、定期受付随時受付の2つに分かれます。定期受付は、3年に1度実施されますが、その間に申請した場合には丸々3年間の資格を取得することができます。しかし、定期受付に申請しなかったからといって、全省庁統一資格を持てないわけではありません。定期受付に申請しなかった人は、随時受付に申請することによって、年度の途中から全省庁統一資格を取得することができます。

随時受付の場合、年度の途中から資格が適用されますので、定期受付に申請した人に比べて、資格の有効期間は短くなります。

受付の種類 ~詳細~
【定期受付】 定期受付に申請すると、3年間の資格を取得することができます。
【随時受付】 定期受付に申請できなかった人用に、随時受付も行っています。年度の途中からの資格適用になるため、定期受付に申請した場合に比べて有効期間が短くなります。

(目次に戻る↑)

第2章:全省庁統一資格の取得の仕方

第2章では、全省庁統一資格を取得する際に、一番苦労するであろう「申請の仕方」や「必要書類」について、わかりやすく説明して行きます。

(1)全省庁統一資格の申請の仕方

「申請の仕方」は、インターネット申請と郵送申請の2種類に分かれます。インターネット申請は、便利な反面、システムトラブルやイレギュラー対応が発生することがあり、場合によっては面倒に感じることがあるかもしれません。一方で、郵送申請は、申請書類をプリントアウトしたりレターパックで郵送するなど、手間がかかる反面、確実に間違いないく申請できるというメリットがあります。

下記表に、インターネット申請と郵送申請のメリット・デメリットをまとめてみましたが、初めて申請をする場合には、郵送申請をした方が、安全かつ安心であるため、これから初めて全省庁統一資格を取得するという初心者の人には、郵送申請をお勧めしています。

メリット デメリット
ネット ・ネット手続きだけで完了する

・申請書類の印刷や郵送が不要

・データの容量次第では、申請できないことも

・入力時間120分制限あり

郵送 ・PC操作が苦手でも申請できる

・紙で申請するので手続きが確実

・間違いに気が付きやすい

・レターパックなどの用意が必要

・申請書類のダウンロード、プリントアウトをしなければならない

(2)全省庁統一資格の必要書類

全省庁統一資格を取得する際に必要は書類は、「財務諸表(貸借対照表・損益計算書)」「履歴事項全部証明書」「納税証明書その3の3」の3点です。

「履歴事項全部証明書」と「納税証明書その3の3」については、発行後3か月以内のものである必要があります。また、「納税証明書その3の3」については、税金に未納があると取得することができませんので、本税の未納のみならず、延滞税の未納についても注意してください。

急いで全省庁統一資格を取得したいという会社に限って、「税金に未納があるため納税証明書を取得できない」というケースが散見されます。これから、省庁の入札に参加していこうという会社が、「税金に未納・滞納がある」というのは、なんとも恥ずかしい話です。全省庁に限った話ではありませんが、公共の仕事を行う、役所と取引をするケースにおいては、通常の民間取引以上に、税金の支払いに、延滞がないように心がけてください。

必要書類 備考
財務諸表 〇貸借対照表と損益計算書を準備

〇直近の確定した決算の財務諸表を使用

〇連結決算書、試算表、中間決算書は使用不可

履歴事項全部証明書 〇法務局から取得

〇ネットからダウンロードした「登記情報」では不可

〇発行後3か月以内のものが必要

納税証明書その3の3 〇税務署から取得

〇未納、滞納があると発行してもらえない

〇発行後3か月以内のものが必要

(3)全省庁統一資格の申請の際の注意点

数多くの事業者のみなさんから全省庁統一資格の申請代行の手続きのご依頼を承っておりますが、弊所が、全省庁統一資格の申請手続きを行う際に、注意をしているのは、以下の【1】~【3】です。細かな注意点やチェックポイントについては、省略しますが、手続きを専門家に外注せず、みなさん自身で申請しようという場合には、まずは、以下の3点を、理解しておいてください。

【1】申請する営業品目の数

全種類(71営業品目)の入札参加資格を取得することはできるのか?

全省庁統一資格は、「物品の製造」「物品の販売」「役務の提供など」「物品の買受け」という4つの資格に分かれていて、そのすべてを合計すると営業品目は全部で71個になります。それでは、全省庁統一資格を取得する際に、このすべての営業品目(71個)を選択して申請することができるのでしょうか?

手引きには「営業品目は、最大〇個まで」という記載はありません。しかし、全71営業品目を選択して申請することは、それほどメリットのあることかというとそうでもないようです。

71個すべての営業品目を選択して申請し、仮に、71個の営業品目について全て資格を取得できたとして、案件を落札し受注できる機会が増えるとは限りません。「どの分野の入札に参加するか?」「どういった領域で案件を落札したいか?」という戦略的な視点がないと、公共の案件の落札は難しいものです。

せっかく、全省庁統一資格を取得するのだから71個すべての営業品目について入札参加資格を取得したいという気持ちもわからなくはありませんが、71個すべての営業品目を選択したところで、落札の機会が増えるというわけではない以上、自社の得意分野や専門分野に絞って、営業品目を選択することをお勧めいたします。

【2】会社の目的(定款・登記)の変更

会社の目的の変更・追加は必要か?

原則として登記簿謄本や定款の「会社の目的」とは関係ない営業品目を選択して申請することができません。この点については、必ずしも、会社の目的の変更が必要であるという断言はできません。しかし、社会通念上、会社の目的に記載のない事業について、営業活動を行うことはできないことになっています。これは民間取引であったとしても、公共の取引であったとしても、同じです。

もし、みなさんの会社が、「定款や登記簿に記載されている目的」とまったく違う分野の営業品目を選択し、入札に参加しようとする場合には、「会社の目的の変更をしてください」といった指摘を受ける可能性があります。こういったケースにおいては、法務局に登記簿謄本の変更申請を行い、会社の目的欄に、選択した営業品目に関連する文言を追記してからでないと、全省庁統一資格を取得することができないということになります。

【3】「物品の製造」の営業品目の選択

「物品の製造」の設備や機械はあるのか?

「物品の製造」の営業品目を選択する場合、「機械装置」「運搬具」「工具」といった「製造設備の内容」や「設備の額」を入力する必要があります。「物品の製造」の営業品目を選択する以上、それ相応の製造設備が整っていなければならないというわけです。

そのため「製造設備はありません。製造の経験もありません。けど、全省庁統一資格を取得するにあたって、○○の製造の営業品目を選択して入札参加資格を取得したいです」という申請は、通らないと思ったほうが良いでしょう。

(目次に戻る↑)

第3章:等級の決定方法と発注予定価格

第3章では、「等級と発注予定価格の関連性」および「等級格付けの決定方法」を解説するとともに、A社とB社の数字を使って、等級をシミュレーションしていきたいと思います。

(1)等級と発注予定価格

全省庁統一資格を取得すると「A」「B」「C」「D」という等級が割り振られます。

たとえば「『物品の製造』のC等級」「『物品の販売』のA等級」「『役務の提供』のB等級」といったように、資格の種類ごとに、等級が格付けされます。この等級は、資格審査結果通知書に記載されるとともに、インターネット上の資格者一覧にも掲載されます。

そして、その「A」「B」「C」「D」といった等級ごとに、おおよその「発注予定価格」が定められています。下記の表をご覧ください。

【物品の製造】の「等級」と「発注予定価格」

等級 発注標準金額
A 3,000万円以上
B 2,000万円以上~3,000万円未満
C 400万円以上~2,000万円未満
D 400万円未満

【物品の販売】の「等級」と「発注予定価格」

等級 発注標準金額
A 3,000万円以上
B 1,500万円以上~3,000万円未満
C 300万円以上~1,500万円未満
D 300万円未満

【役務の提供】の「等級」と「発注予定価格」

等級 発注標準金額
A 3,000万円以上
B 1,500万円以上~3,000万円未満
C 300万円以上~1,500万円未満
D 300万円未満

【等級】と【発注予定価格】は、上記の表のように、グループ分けされています。(※なお、【物品の販売】と【役務の提供】の表は同一であるため、解説動画の中では「物品の製造」と「物品の販売・役務の提供」というように2つにグループ分けして解説しています。)

たとえば、御社の等級が

  • 「『物品の製造』のA等級」だった場合、発注標準金額が3,000万円以上の入札に参加できる
  • 「『物品の販売』のB等級」だった場合、発注標準金額が1,500万円以上~3,000万円未満の入札に参加できる
  • 「『役務の提供』のC等級」だった場合、発注標準金額が300万円以上~3,000万円未満の入札に参加できる

というようになります。

(2)等級の決定方法

上記の表および(1)の解説で、「等級」と「発注標準金額」の関連性をご理解いただけたと思います。それでは、「A」「B」「C」「D」といった等級はどのように決定されるのでしょうか?等級の決定方法について、下記の表をご覧ください。

【物品の製造】の等級の決定方法

「物品の製造」の場合、下記表の①~⑤によって、付与された点数を合算して得られた「合計点数」によって、等級が決定されます。

①年間平均(生産・販売)高/前2か年の平均販売実績
50億円未満

25億円以上

25億円未満

10億円以上

10億円未満

5億円以上

5億円未満

2.5億円以上

2.5億円未満

1億円以上

1億円未満

5千万円以上

5千万円未満

2.5千万円以上

2.5千万円未満
45点 40点 35点 30点 25点 20点 15点 10点

 

②自己資本額の合計/純資産の額
10億円以上 10億円未満

1億円以上

1億円未満

1千万円以上

1千万円未満

1百万円以上

1百円未満
10点 8点 6点 4点 2点

 

③流動比率(流動資産÷流動負債)
140%以上 140%未満

120%以上

120%未満

100%以上

100%未満
10点 8点 6点 4点

 

④営業年数
20年以上 20年未満10年以上 10年未満
5点 4点 3点

 

⑤設備の額
10億円未満

1億円以上

1億円未満

5千万円以上

5千万円未満

1千万円以上

1千万円未満
12点 9点 6点 3点

【物品の製造】の営業品目の等級は、上記の①~⑤の合計点数を計算し、下記の表にあてはめることによって、確認することができます。

  • ①~⑤の合計点数が90点以上の場合、A等級
  • ①~⑤の合計点数が80点以上90点未満の場合、B等級
  • ①~⑤の合計点数が55点以上80点未満の場合、C等級
  • ①~⑤の合計点数が55点未満の場合、D等級

というようになります。

①~⑤の合計点数
90点以上 90点未満

80点以上

80点未満

55点以上

55点未満
A等級 B等級 C等級 D等級

【物品の販売】の等級の決定方法

「物品の販売」の場合、下記表の①~④によって、付与された点数を合算して得られた「合計点数」によって、等級が決定されます。

①年間平均(生産・販売)高/前2か年の平均販売実績
50億円未満

25億円以上

25億円未満

10億円以上

10億円未満

5億円以上

5億円未満

2.5億円以上

2.5億円未満

1億円以上

1億円未満

5千万円以上

5千万円未満

2.5千万円以上

2.5千万円未満
50点 45点 40点 35点 30点 25点 20点 15点

 

②自己資本額の合計/純資産の額
10億円以上 10億円未満

1億円以上

1億円未満

1千万円以上

1千万円未満

1百万円以上

1百円未満
15点 12点 9点 6点 3点

 

③流動比率(流動資産÷流動負債)
140%以上 140%未満

120%以上

120%未満

100%以上

100%未満
10点 8点 6点 4点

 

④営業年数
20年以上 20年未満10年以上 10年未満
10点 8点 6点

【物品の販売】の営業品目の等級は、上記の①~④の合計点数を計算し、下記の表にあてはめることによって、確認することができます。

  • ①~④の合計点数が90点以上の場合、A等級
  • ①~④の合計点数が80点以上90点未満の場合、B等級
  • ①~④の合計点数が55点以上80点未満の場合、C等級
  • ①~④の合計点数が55点未満の場合、D等級

というようになります。

①~④の合計点数
90点以上 90点未満

80点以上

80点未満

55点以上

55点未満
A等級 B等級 C等級 D等級

【役務の提供】の等級の決定方法

「役務の提供」の場合、下記表の①~④によって、付与された点数を合算して得られた「合計点数」によって、等級が決定されます。

①年間平均(生産・販売)高/前2か年の平均販売実績
50億円未満

25億円以上

25億円未満

10億円以上

10億円未満

5億円以上

5億円未満

2.5億円以上

2.5億円未満

1億円以上

1億円未満

5千万円以上

5千万円未満

2.5千万円以上

2.5千万円未満
50点 45点 40点 35点 30点 25点 20点 15点

 

②自己資本額の合計/純資産の額
10億円以上 10億円未満

1億円以上

1億円未満

1千万円以上

1千万円未満

1百万円以上

1百円未満
15点 12点 9点 6点 3点

 

③流動比率(流動資産÷流動負債)
140%以上 140%未満

120%以上

120%未満

100%以上

100%未満
10点 8点 6点 4点

 

④営業年数
20年以上 20年未満10年以上 10年未満
10点 8点 6点

【役務の提供】の営業品目の等級は、上記の①~④の合計点数を計算し、下記の表にあてはめることによって、確認することができます。

  • ①~④の合計点数が90点以上の場合、A等級
  • ①~④の合計点数が80点以上90点未満の場合、B等級
  • ①~④の合計点数が55点以上80点未満の場合、C等級
  • ①~④の合計点数が55点未満の場合、D等級

というようになります。

①~④の合計点数
90点以上 90点未満

80点以上

80点未満

55点以上

55点未満
A等級 B等級 C等級 D等級

(※なお、【物品の販売】と【役務の提供】の表は同一であるため、解説動画の中では「物品の製造」と「物品の販売・役務の提供」というように2つにグループ分けして解説しています。)


(3)発注予定価格のシミュレーション

それでは、(2)の表を使って、実際に等級と発注予定価格をシミュレーションしてみましょう。

【A社のケース】

  • 営業品目(情報処理):役務の提供
  • 販売実績売上高(前年度):5億6000万円
  • 販売実績売上高(前々年度):5億8000万円
  • 純資産の額:1億2000万円
  • 流動資産の額:800万円
  • 流動負債の額:600万円
  • 営業年数:11年
項目 A社の実態 付与点数
年金平均高=5億7000万円 40点
自己資本額=1億2000万円 12点
流動比率=133% 8点
営業年数=11年 8点
合計 ①+②+③+④ 68点

A社が選択した営業品目は「役務の提供」のなかの「情報処理」です。そのため「役務の提供」の表を使って、①~④のそれぞれの付与点数を算出し、合計点を導きだします。

A社の場合、「①:年間平均高」は40点、「②:自己資本額」は12点、「③:流動比率」は8点、「④:営業年数」は8点となり、付与点数の合計は、68点になります。「役務の提供」の68点は、C等級(55点以上80点未満)に該当します。

そのため、A社は、「情報処理」のC等級=「300万円以上1,500万円未満」の入札に参加できるようになります。

【B社のケース】

  • 営業品目(事務用機器類の製造):物品の製造
  • 販売実績売上高(前年度):1億9000万円
  • 販売実績売上高(前々年度):1億1000万円
  • 純資産の額:4000万円
  • 流動資産の額:1000万円
  • 流動負債の額:700万円
  • 営業年数:19年
  • 設備の額:5000万円
項目 A社の実態 付与点数
年金平均高=1億5000万円 25点
自己資本額=4000万円 6点
流動比率=143% 10点
営業年数=19年 4点
設備の額=5000万円 9点
合計 ①+②+③+④+⑤ 54点

B社が選択した営業品目は「物品の製造」のなかの「事務用機器類の製造」です。そのため「物品の製造」の表を使って、①~⑤のそれぞれの付与点数を算出し、合計点を導きだします。

B社の場合、「①:年間平均高」は25点、「②:自己資本額」は6点、「③:流動比率」は10点、「④:営業年数」は4点、「⑤:設備の額」は9点となり、付与点数の合計は、54点になります。「物品の製造」の54点は、D等級(55点未満)に該当します。

そのため、B社は、「事務用機器類の製造」のD等級=「400万円未満」の入札に参加できるようになります。

(4)希望の等級を取得することは可能か?

それでは、上記のように、A~Dまでの等級の決定方法(等級の格付け基準)を理解することができたとして、自社の望む等級を取得することはできるのでしょうか?たとえば、

  • 「広告代理」(=役務の提供)の、2000万円クラスの入札案件の落札を狙っているので「B」等級にしたい
  • 「防衛用装備品類」(=物品の販売)の3000万円以上の案件を受注したいので「A」等級が欲しい

というケースです。

私も過去に「この入札にわが社の社運が掛かっているので、A等級じゃないと困る」「なんとかしてBランク以上でないと、私の首が飛ぶ」というようなことを言われたことが実際にあります。

しかし、格付けの基準を見て頂ければわかる通り、自社にとって都合のよい等級になるとは限りません。「Aランクが良かった」とか「B以上じゃないとダメ」と言ってみたところで、等級格付けは、御社の提出する資料によって、厳正に審査されます。提出資料の数字を改ざんすることは虚偽申請になるのでできません。

そのため、必ずしも自社が希望する等級が付与されるわけではないことをあらかじめご理解ください。

下記の表にある通り、審査項目の①~⑤の数字は、提出する確認資料ですべてチェックされます。「①年間平均(販売・生産)高」は損益計算書で、「②自己資本額の合計(純資産の額)」は貸借対照表で、「③流動比率」は貸借対照表で、「④営業年数」は履歴事項全部証明書で、「⑤設備の額」は貸借対照表で、すべて、入力した数字の裏付けが行われますので、実態と異なる数字を入力して、自社の等級を操作することはできないようになっているのです。

審査項目 確認資料
①年間平均(生産・販売)高 損益計算書
②自己資本額の合計(純資産の額) 貸借対照表
③流動比率 貸借対照表
④営業年数 履歴事項全部証明書
⑤設備の額 貸借対照表

(目次に戻る↑)

第4章:電子証明書の取得とPCの環境設定

第4章では、電子入札を行う際に必要な「電子証明書」「ICカードリーダ」「パソコンの環境設定」について、簡単に解説していきます。

(1)電子証明書とは

電子証明書は、インターネットを通じて、電子入札に参加する際に必要な「ICカード」のことを言います。この「ICカード」を購入し「ICカードリーダ」をパソコンに挿入し、接続することによって、紙の入札ではなく、電子入札をすることが可能になります。

(2)どこから購入する?/いつ設定する?

ⅰ)「電子証明書」および「ICカードリーダ」は、どこから購入する?

電子証明書は「ビックカメラ」や「ドンキホーテ」のような量販店から購入するものではなく、「電子入札コアシステム対応の民間認証局」から購入することになります。「電子入札コアシステム対応の民間認証局」は以下の通りです。

会社名 サービス名
NTTビジネスソリューションズ株式会社 e-ProbatioPS2
三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社 DIACERT-PLUSサービス
株式会社帝国データバンク TDB電子認証サービスTypeA
株式会社トインクス TOiNX電子入札対応認証サービス
日本電子認証株式会社 AOSignサービス

ⅱ)「電子証明書」および「ICカードリーダ」は、いつ設定する?

注意して頂きたいのは、全省庁統一資格を取得するだけであれば、「電子証明書」と「ICカードリーダ」は不要です。全省庁統一資格を取得して、実際の案件に「電子入札」をする際に「電子証明書」と「ICカードリーダ」が必要になります。そのため、全省庁統一資格を取得しても、実際の案件に「紙入札」を行うのであれば「電子証明書」と「ICカードリーダ」を準備する必要はありません。

もっとも、実際の入札案件を見てみると「本案件は、電子調達システムの電子入札機能利用対象案件である。但し、電子入札によりがたい者は、…紙入札方式とすることができる」とあり、電子入札が原則という運用になっています。そのため、全省庁統一資格を取得した後は、電子入札に対応できるように「電子証明書」「ICカードリーダ」「PCの環境設定」を済ませておいた方がよいでしょう。

(3)購入/設定する際の注意点

電子証明書およびICカードリーダを購入・設定する際の注意点は以下の通りです。

ⅰ)有効期間によって費用が異なる

電子証明書は1~5年の間で、有効期間を選択することができます。1年だと有効期間が短い分、購入費用が安くなります。一方で5年だと有効期間は長い分、購入費用が高くなります。どちらが良い・悪いということはありませんが、弊所では、中間を取って、有効期間が3年の電子証明書を取得するようにお勧めしています。

ⅱ)電子証明書の購入には、カード名義人の住民票などの書類が必要

電子証明書は、電子入札を行う際のインターネット上の身分証明書に該当するものです。会社の情報はもちろんのこと、代表取締役(カード名義人)個人の情報も格納されます。そのため、電子証明書を購入する際には、購入申込書および会社の履歴事項全部証明書、会社の印鑑証明書だけでなくカード名義人(通常は代表取締役)の「住民票」「印鑑証明書」など個人の公的書類の準備も必要になります。

ⅲ)電子証明書の受領は、購入申込してから1週間程度かかる

電子証明書を購入する際には、上記の購入申込書や公的書類を準備して、民間認証局に申込みを行います。申込みを行ってすぐに、電子証明書を受領できるわけではなく、発行までに1週間程度時間がかかるのが通常です。どんなに入札期限が間近に迫っているからといって、申込時にその場で交付してもらえるようなものではないことを、あらかじめ認識しておいてください。

ⅳ)PCの設定は2段階

電子証明書とICカードリーダを購入した後は、パソコンの環境設定が必要です。

パソコンの環境設定には「購入した電子証明書を利用するための各種ソフトのインストール」と「調達ポータルサイトを利用できるようにするための環境設定」という2つの設定があります。どちらか一方でも設定が完了していないと、「調達ポータルにログインできない」「PINの入力画面が出てこない」「ボタンをクリックしても画面が先に進まない」といったようなエラーが発生しますので、必ず、PC設定を完了してから、電子入札にチャレンジするようにしてください。

ⅴ)利用者登録もわすれずに

PCの環境設定が整ったら、最後は「調達ポータル」への利用者登録を忘れずに行ってください。この利用者登録は、全省庁統一資格の結果通知書が届いてからでないと行うことができません。

(目次に戻る↑)

第5章:全省庁統一資格の申請は行政書士法人スマートサイドへ

第5章では、これから初めて全省庁統一資格を取得しようとお考えの人が、全省庁統一資格の申請手続きを行政書士法人スマートサイドに依頼するメリットを中心に説明して行きます。

(1)全省庁統一資格の申請をスマートサイドに依頼するメリット

ⅰ)全国対応、打合せ不要

行政書士法人スマートサイドでは、日本全国の事業者さまから、全省庁統一資格の申請代行手続きのご依頼を承っています。北は北海道、南は沖縄に至るまで、東京都内、関東圏内に限らず、日本全国からのご依頼が可能です。

ⅱ)打合せ不要

行政書士法人スマートサイドに、全省庁統一資格の取得をご依頼頂いた際には、打合せは不要です。数回のメールでのやり取りのみで、ご依頼からおおむね2週間程度で、全省庁統一資格を取得することが可能です。

もちろん、手続きの流れなどについて打合せを実施したいというひとに対しては、1時間程度の有料相談を実施させて頂きますが、全省庁統一資格の取得だけであれば、打合せをすることなく取得可能です。

ⅲ)法定必要書類も代理で取得

全省庁統一資格の申請に必要な「納税証明書」や「履歴事項全部証明書」は、お客さまに代わって、すべて弊所で代理取得させて頂くことが可能です。お客さま自身がわざわざ税務署や法務局に行って、書類の収集作業を行う必要はありませんので、ご安心ください。

ⅳ)申請手続きの一切を代行

必要書類が揃ったら、お客さまに代わって弊所からインターネット申請を行います。書類の収集作業はもちろんのこと、インターネット申請、受付窓口からの不備や補正の対応、進捗状況の確認、結果通知書の受領に至るまで、全ての手続きを弊所にて代行させて頂きます。

お客さまは、いくつかのヒアリング事項にご回答して頂いた後は、結果通知書が届くのを待っているだけということになります。

ⅴ)外国事業者、新規設立法人、官公需適格組合、分割・合併案件にも対応可

弊所では、通常の申請のほか、特殊な申請にも対応しています。

たとえば、「日本国内に支店登記のない外国事業者」や「設立後、1期目を迎えていない新規設立法人」は、通常と手続きの流れがことなります。また、官公需適格組合の場合、構成員ごとの数字の入力が必要になります。さらに、会社分割や合併があった場合もしくは企業再編を予定している場合には、特殊な手続きを踏んで全省庁統一資格を取得・更新・変更する必要があります。

ⅵ)電子証明書やICカードリーダの購入申込受取代行

電子証明書やICカードリーダをどこから、どうやって購入すればよいのかわからないといったお客さまもいらっしゃいます。

そこで、行政書士法人スマートサイドでは、お客さまに代わって、電子証明書+ICカードリーダの「購入申込と受領」を代行させて頂いております。お客さまが、「わざわざ、受取に行く」といった手間を省くことができます。

ⅶ)電子入札への環境を整えるためのPC設定(※遠隔操作可)

全省庁統一資格を取得した後に、電子入札を行いたいという事業者さまのために、PCの環境設定も弊所にて代行することが可能です。

東京都内であれば、実際に御社にご訪問させて頂くことも可能です。遠方のお客さまの場合には、遠隔操作を利用して、お客さまの会社のパソコンを操作させて頂きます。これにより、入札のためのパソコンの環境設定が整い、いつでも電子入札にチャレンジする体制が整います。

(2)スマートサイドに依頼した場合の費用

全省庁統一資格を取得する際に、かかる費用です。ご依頼頂いてから、2週間~ひと月程度で、御社に「結果通知書」が届きます。

項目 詳細 価格
全省庁統一資格の取得 行政書士報酬として 110.000円
納税証明書1通 法定必要書類として 2.200円
履歴事項全部証明書1通 法定必要書類として 2.200円
費用の合計 114.400円
  • 正式にご依頼を頂き次第、請求書を発行いたします。請求書発行後5営業日以内に指定の口座にお振込みをお願いいたします。
  • 全省庁統一資格を取得した後に、電子証明書の取得やパソコンの環境設定が必要な場合、別途、お見積りをご提示させて頂きます。

(目次に戻る↑)

書籍のご案内:全省庁統一資格を取得したい人のための書籍のご案内

 

(目次に戻る↑)

全省庁統一資格の取得でお困りの人へ

最後まで、お読みいただきありがとうございます。いかがでしたか?全省庁統一資格の取得について、具体的なイメージは湧いてきましたか?最後に、全省庁統一資格の取得でお困りのみなさんへ、わたしからのメッセージです。

当たり前のことですが、私たちに与えられた時間は「有限」です。無限に時間を使える人なんて、どこにもいません。その「有限」な時間をどのように使うか?考えてみてください。

全省庁統一資格を取得しさえすれば、最大で3年間、すべての国の機関である省庁の入札に参加することが可能です。下は数百万円から上は数千万円に至るまで、案件を落札するチャンスです。そういったチャンスは、何回もあるわけではありません。もしかしたら、一生に一度の大チャンスかもしれません。そういったチャンスを逃さないためにも、全省庁統一資格をできるだけ早く、確実に取得しておきたいとは思いませんか?

資格を取得するための僅か十数万円の金額は、先行投資・必要経費にすぎません。もし、みなさんが、省や庁の入札に参加したいと少しでも思っているのなら、資格を取得するために必要な金額は「先行投資・必要経費」と割り切って、いますぐに資格取得にチャレンジしてみては如何でしょうか?

また、みなさんの目的はなんですか?

みなさんの目的は、みずからの力で独学で、手引きやマニュアルを読んで、ヘルプデスクに問い合わせをして「全省庁統一資格を取得すること」にあるのでしょうか?そうではないですね。みなさんの真の目的は「資格の取得」ではなく、資格を取得したあとに、実際に省庁の入札にチャレンジし、案件を落札し、「売上を上げる」「利益を上げる」ことにあるのではないでしょうか?

全省庁統一資格は、もしかしたらご自身の力で取得することができるかもしれません。しかし、みなさんの目的が「資格を取得すること」ではなく「案件を落札すること」ひいては「売上や利益を上げること」にあるのであれば、落札できそうな案件の検索、発注機関の発注動向、同業他社の落札状況の研究など、皆さんにしかできないことに時間を使うのが得策です。

資格取得するための時間や労力を費やすのは、非常にもったいないと思います。

行政書士法人スマートサイドは、全省庁統一資格の取得を大変得意とした行政書士法人です。ご依頼後2週間程度で、全省庁統一資格を取得することが可能です。全省庁統一資格の取得でお困りの際には、ぜひ、行政書士法人スマートサイドまで、下記問い合わせフォームからご連絡下さい。全国どこの地域の会社からでも(外国事業者の場合は、日本国外からでも)ご連絡をお待ちしております。

(目次に戻る↑)

 

業務に関するご相談(有料)をご希望の方は、メールにてご予約ください。

    選択してください(必須)
    相談者1人1人への適切な対応、質の高い面談時間の確保の見地から、初回に限り、1時間11.000円の相談料を頂いています。

    ページトップへ戻る