
相談者:会社を設立したばかりの社長
先月、会社を設立したばかりです。会社設立直後なので、決算書がないのはもちろんのこと、納税もしていません。登記簿謄本は手元にあるのですが、財務諸表や納税証明書を準備できそうにありません。そのような状態でも全省庁統一資格を取得することはできますか?それとも、決算を迎えてからでないと、全省庁統一資格を取得できないのでしょうか?
回答者:行政書士
おっしゃる通り、会社設立直後は、決算書もなければ納税もしていないのが普通です。でも大丈夫。会社設立後、1回も決算を迎えていない会社でも、全省庁統一資格を取得して、「省」や「庁」の入札に参加することは可能です。以下、どのような書類が必要かも合わせて、簡単に、ご説明させて頂きますね。
会社設立直後でも、全省庁統一資格を取得することができる
会社設立直後でも、全省庁統一資格を取得できることに間違いありません。会社設立直後は
- 決算を1回も迎えていない
- 決算期は、半年以上先である
- 財務諸表を含む決算書が、できていない
- 税務署への納税申告をしていない
という状況にあるのが普通ですが、そのような状態(「新規設立法人」といいます)でも、全省庁統一資格を取得することは可能です。申請の手引きにも「特殊な申請」として「新規設立法人等の資格申請について」という項目を設け、「新規に設立した会社が、決算前に資格取得することは可能です」と明記されています。
たとえば、東京都や神奈川県など、地方自治体の入札については、決算未到来である新規設立法人の入札参加資格の取得を認めていないところもあります。しかし、全省庁統一資格では、そのようなことはありません。このあたりについては、申請手続きを代行している行政書士の先生でも、明確に理解できていない人がいるようなので、みなさんは、間違えないように注意してください。
設立直後の会社が、全省庁統一資格を取得する際に必要な書類
それでは、決算を迎えていない法人設立直後の会社が、全省庁統一資格を取得することができるとして、申請の際に必要になる書類は、どうすれば良いのでしょうか?通常の会社と異なる箇所があります。
| 通常の会社の場合 | 決算未到来の新規設立法人の場合 | |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 通常の会社の場合と同様、法務局にて「登記事項証明書」を取得することができます。 | |
| 納税証明書 | 決算を迎えておらず、納税をしていなくても、納税証明書(「その2」と「その3の3」)を取得することは可能です。 | |
| 財務諸表 | 決算を迎えていないため、財務諸表の提出は、省略することができます。決算未到来の新規設立法人の場合、財務諸表の提出が不要です。 | |
設立直後の会社が、全省庁統一資格を取得する際の注意点
会社(法人)を設立して、決算をまだ迎えていない会社でも、全省庁統一資格を取得することはできますし、上記のように「提出する必要書類」も通常の会社の場合とは異なるものの、「準備できない…」ということはなさそうです。
とはいうものの、まったく通常の会社の場合と同様に申請して問題ないか?というと、そういうわけではありません。法人設立後、決算を迎えていない場合には、通常の会社の場合と「異なる入力」が必要になる点に注意が必要です。
「実績販売高(売上高)」や「流動比率」が『0』に
会社設立直後で、決算を迎えておらず、財務諸表を提出することができない以上、「実績販売高(売上高)」を証明する資料がありません。また、決算を迎えていないため、「流動資産」や「流動負債」の額が確定しておらず、「流動比率」も算出することができません。
そのため、これらの項目については、数字を入力することができず、『0』として申請するしかありません。
「実績販売高(売上高)」や「流動比率」は、等級を格付けする際の基準となる数字ですので、これらの数字が『0』だとすると、等級が低くならざるを得ない(≒「D」の等級になってしまう)でしょう。
「営業年数」が『0』に
設立から1年に満たないため、営業年数も『0』になります。「実績販売高(売上高)」や「流動比率」と同様、「営業年数」も等級を格付けする際の基準となる数字です。この営業年数の数字が『0』になるということは、等級が低くならざるを得ない(≒「D」の等級になってしまう)ことは、免れないでしょう。
とはいうものの、等級は関係ないので、ともかく早く全省庁統一資格を取得したいということであれば、すぐにでも、全省庁統一資格を取得すべきでしょう。
1度取得した等級をアップさせる方法
上記のように、設立から1年に満たない会社は、「売上」や「営業年数」が『0』になってしまうため、等級は一番低い「D」になってしまうことが確実です。Dランクの場合、発注案件の予定価格の範囲は、以下のようにグループ分けされています。
| 営業品目の種類 | 予定価格の範囲 |
|---|---|
| 物品の製造 | 400万円未満 |
| 物品の販売 | 300万円未満 |
| 役務の提供 | 300万円未満 |
しかし、決算を迎えて、売上が上がれば、等級がアップする可能性もあります。その場合には、更新申請を行うことによって、「D」を「C」に格上げすることも可能です。
まずは、小さい規模の案件へのチャレンジで構わないという場合には、すぐに資格を取得し、決算を迎えたあとに、再度、更新申請によって資格を取得しなおすとう方法もありますので、ずっと「D」ランクのままというわけではありません。
今すぐにでも、全省庁統一資格を取得したいとお考えの方へ

法人を設立したり、会社を新規で立ち上げたりすることは、非常にエネルギ―のいる作業です。何事もスタートアップには、労力が必要です。
そのうえで、「省」や「庁」の入札への参加を検討しているということは、とても、すごいことだと思います。行政書士法人スマートサイドは、そんなみなさんの、入札参加資格の取得に関するお手伝いをできることを大変うれしく思っています。
創業後は、売上の確保が重要です。民間の仕事だけで十分であれば、それでよいかもしれません、しかし、官公庁の仕事も受注できるとなると、それだけで売上高が飛躍的に伸びる可能性もあります。特に、近年は、不況のあおりも受けて、「役所の仕事を取りに行きたい!」と考える社長の割合が高まってきているように思います。
このページで紹介したように、「会社設立直後だから…」「決算を1回も迎えてないから…」「財務諸表ができるのが、だいぶ先だから…」という理由で全省庁統一資格の取得をあきらめなければならない理由はありません。おそらく等級は、最低ランクの「D」になってしまうことが予想されますが、それでも、省や庁の入札に参加できるわけです。
私たち行政書士法人スマートサイドは、全省庁統一資格申請の専門家として、スタートアップの状況にある、新規設立法人の会社の社長を全力でサポートさせて頂きます。全省庁統一資格でお困りの際は、ぜひ、下記、問い合わせフォームから、行政書士法人スマートサイドまで、ご連絡下さい。
全省庁統一資格の取得に特化した専門行政書士。医療法人、NPO法人、一般社団法人、外国事業者、新設法人など、さまざまな法人を支援。スタッフ間の連携により依頼から1週間程度のスピード申請を実現。多忙な経営者の時間を奪わず、迅速・正確に手続きを遂行することが強み。「全省庁統一資格の取得ガイド(kindle)」を執筆。 インタビューは、こちら。





