全省庁統一資格の専門家:代表者インタビュー

全省庁統一資格という聞きなれない言葉をご存知だろうか?

「省や庁といった国の機関の入札に参加する際に必要な資格を言うらしい…」というところまでは、ご存知の方も多いかもしれないが、「資格を取得するにはどうすればよいのか?何から始めればよいのか?誰に頼めばよいのか?」といった具体的な中身になると、意外と知られていないことのほうが多いのではないだろうか?

実は、全省庁統一資格の取得をはじめとした入札参加資格の取得は、行政書士業務である。行政書士と聞くと「役所に書類を提出する人」といったアバウトなイメージしか湧いてこない方が大半だろうが、入札参加資格の申請代行は、正真正銘、行政書士の業務である。

そこで、このページでは、入札参加資格申請を事務所の主な業務として、年間、数十件もの事業者の入札参加資格申請を代行している行政書士法人スマートサイドの行政書士:横内賢郎先生にインタビュー。

横内先生が手掛ける入札参加資格申請のうちでも、特に「全省庁統一資格」について、根ほり葉ほり聞いてみました。(インタビュアー:Y)

横内代表の主なプロフィール
2014年5月 行政書士登録
2018年7月 東京都行政書士会新宿支部にて入札参加資格申請業務の研修講師
2020年6月 「建設会社の社長が読む手続きの本」を出版
2021年6月 「入札参加資格申請は事前知識が9割」を出版
2022年6月 「はじめての方のための経営事項審査入門書」を出版
2023年2月 90分オンラインセミナー「東京都入札参加資格(物品・委託)の概要」を開催
2023年6月 「建設業許可をすぐに取得したい時に読む本」を出版
2023年9月 「申請手続きのプロが書いた全省庁統一資格取得ガイド」(電子書籍)を出版
2023年10月 60分オンラインセミナー「全省庁統一資格を取得するための基礎」を開催

全省庁統一資格について

ー行政書士法人スマートサイドについて、ご存知ない方もいらっしゃると思うので、まずは、自己紹介を兼ねて簡単にご挨拶をお願いできればと思います。

はい。まずは、事務所の自己紹介をさせていただきます。

行政書士法人スマートサイドは、東京都にある行政書士事務所です。東京都や東京都内23区市町村や全省庁統一資格といった入札参加資格の申請を得意としています。

弊所のように入札参加資格申請を専門で扱っている行政書士事務所は、都内でも珍しいほうなので「ホームページを見て知りました!」と弊所にご依頼される方が、非常に多いです。入札参加資格申請の代行を、誰に頼んでよいのか分からない?といった方がたくさん多く見受けられます。

そういった方々が、インターネットを検索し、うちの事務所のホームページを見つけ、弊所にご依頼いただくといったケースは、非常に多いんです。

ー多くの方が横内先生のことを、インターネット検索で知るんですね。それでは、具体的に「全省庁統一資格」の中身について、お話を聞かせてください。

はい。

ご存知の方も多いと思うのですが、全省庁統一資格は、省や庁といった「国の機関」の入札に参加するための資格です。東京都の入札に参加するには東京都の入札参加資格を、埼玉県の入札に参加するには埼玉県の入札参加資格を取得しなければならないのと同様に、省や庁といった「国の機関」の入札に参加するには、全省庁統一資格が必要になります。

また、全省庁統一資格は「物品の製造」「物品の販売」「役務の提供」「物品の買入れ」の4つの分類に分かれていて、全部で72の営業品目がありますが「工事」については、全省庁統一資格の対象外になっています。建設業者さんが全省庁統一資格を取っても公共工事の入札には参加できないので注意が必要です。

ーなるほど、全省庁統一資格には、全部で72もの営業品目に分かれているんですね。その他には、何か注意しておく点はありますか?

その他にも注意すべき点はいくつかあります。

例えば、税金の未納です。全省庁統一資格を取得する際には「未納のないことの証明書」という種類の納税証明書の提出が必要です。「納税証明書その3の3」とも言います。この納税証明書は、法人税や消費税に未納がないことを証明するものなので、法人税や消費税に未納があると、発行してもらうことができません。

「この納税証明書その3の3」を発行してもらうことができなければ、全省庁統一資格を取得することができないため、法人税や消費税に未納がないかどうかといった点は、資格を取得するまえに確認しておく必要があります。

また「物品の製造」を選択する場合。登記簿謄本の目的欄に「○○の製造」といった文言が入っていなければなりません。

例えば、御社が物品の製造のうち、「101:衣服・その他繊維製品類」の営業品目で全省庁統一資格を取得しようとする場合、登記簿謄本の目的欄に「布製品の製造」とか「衣料品、マスク、その他繊維製品の製造」といったように、製造に関する文言が入っていないと資格を取得することができません。

この点については、やはり、「物品の製造」に関する入札に参加しようとしているのに、会社の主たる目的である登記簿謄本の目的欄に「○○の製造」という製造に関する文言が入っていないのは、おかしいですね。この点についても「製造」の入札に参加しようと考えている会社にとっては注意事項となります。

特殊な申請について

ー注意しなければならない点は、結構ありますね。私たち素人にはなかなか申請が難しそうです。

時折、申請を自分でやろうとする方がいらっしゃるんですが、それは、あまりお勧めしません。全省庁統一資格の申請をはじめとした入札参加資格申請は、行政に対する申請ですから、時間をかければできなくないかもしれません。

ですが「手引きを読む時間」「書類を作成する時間」「必要書類を集める時間」「不備や訂正がないか確認する時間」など、諸々の時間を考えると、素人の人が自分で申請するのは、費用対効果という見地から割に合わないんですよ。

行政書士にお金を払うのがもったいない…という考えの方もいらっしゃると思うのですが、私に言わせれば、自分でやる時間のほうがもったいない。その時間があれば、もっと他のこと、例えば、営業活動やお客様対応など本業に関することに一生懸命になったほうがよいと思うのですが。

こういった類の申請には専門家がいるのですから、専門家に外注するのが賢い判断なのではないかと私は思うわけです。

ー横内先生が言わんとすることはよくわかります。それでは、そんな専門家の横内先生でさえ、これは難しかったとか、申請に時間がかかったというような複雑な事案というのはあるんでしょうか?

良いところ突いてきますね(笑)。それがあるんですよ(笑)。

まず1つ挙げるとすれば、官公需適格組合からの依頼があげられます。

ー官公需適格組合?はじめて聞きます。

官公需適格組合とは、官庁からの入札案件を受注する目的で形成された中小企業による組合のことを言うんですが、この官公需適格組合の申請をしようとすると組合員となっている中小企業すべての状況を入力しないといけないわけです。

簡単に説明すると、通常の全省庁統一資格であれば、資格を申請しようとする1社分の申請書類を作って、納税証明書などをつけて申請すれば足りるわけですが、官公需適格組合の場合、その組合を形成しているすべての中小企業の財務状況を入力して、すべての会社の納税証明書をつけて申請しなければならないといったことになります。

ご依頼を頂いた組合は、デザインやWEB製作を行っている会社、計7社によって形成されている組合でした。そのため、7社分の入力を行い7社分の納税証明書や財務諸表を添付して申請しました。1度の申請で7社分の書類を扱ったので、なかなか大変でした。通常の行政書士事務所では、対応できない難しい事案といってよいと思います。

その他には、外国事業者の方からの依頼もありました。

ーえ、外国の会社ですか?

はい。外国の会社です。具体的には、アメリカのニューヨーク州にある会社でした。

前提として、全省庁統一資格は、外国の会社でも取得することができます。日本国内に支店がなくても、取得することができます。

その会社は、日本国内に支店はなかったのですが、代表者さまがニューヨークに住んでいる日本人の方で、たまたま、私がホームページ上にアップしているYouTube動画をご覧になって、弊所にお問合せを頂き、ご依頼してくださったという流れです。

ーニューヨークからの依頼だったんですね?

はい。ニューヨークからの依頼です。最初、着信の電話番号を見た時は、見慣れない番号からの着信だったので、どこからだろうと思ったのです。

私は英語は、もちろんのこと外国語はできません。このケースでは、社長が日本人で、日本に住んでいる社員さんを通じて、メールのやり取りや必要事項のヒアリングを行ったので、なんとか申請することができました。

もし、社長が外国人で日本語が話せず、社員の方も日本に住んでいない会社だったら、申請は無理だったかもしれません。はじめての外国会社からの依頼だったので、とても印象に残っています。

電子証明書やICカードリーダについて

ーちょっと話が変わるのですが、全省庁統一資格を取得するにあたって、電子証明書(ICカード)やICカードリーダを取得する必要はあるのでしょうか?

たしか、東京都や東京都内23区市町村の入札参加資格を取得するには、電子証明書(ICカード)やICカードリーダの準備が必須だったような気がしますが。

よく勉強されていますね。

おっしゃる通り、東京都や東京都内23区市町村の入札参加資格を取得するには、電子証明書とICカードリーダは必須です。これらを使えるようにするためのパソコンの設定も、必ず必要になります。電子証明書とICカードリーダなくして、入札参加資格を申請することはできません。

一方で、全省庁統一資格はどうかというと、全省庁統一資格の場合、資格を取得する時点では、電子証明書もICカードリーダも、必須ではありません。東京都などとは違って、電子証明書とICカードリーダがなくても、全省庁統一資格を取得することはできます。

ただ、入札案件には案件ごとに「紙による入札」と「電子による入札」という指定があって、実際の案件に「電子入札」する場合には、電子証明書とICカードリーダが必要になります。

この点については、手続きの流れとも関連してくるのですが、まずは、全省庁統一資格を取得し、そのあとで、電子証明書とICカードリーダを準備し、パソコンの設定などを行い「利用者登録をする」といった手続きを行います。

この「利用者登録」を行うことによって、はじめて「電子申請」に対応できるようになります。「紙申請」でも構わないというのであれば、電子証明書とICカードリーダを準備する必要はありませんが、時代の流れとして「紙→電子」となっています。また、万が一、「紙申請」に対応していない「電子申請」のみの案件が出てきた場合に、重要な案件の取りこぼしになるかもしれません。

そういった意味では、全省庁統一資格を取得した後に、電子証明書とICカードリーダを準備し、利用者登録まで行い、電子申請に対応できる入札環境を整えておくことをお勧めいたします。

ー手続きの流れも含めて、非常によくわかりました。ありがとうございました。

行政書士法人スマートサイドに依頼するとなったら…

ーこのインタビュー記事を読んでいただいた事業者さんが、行政書士法人スマートサイドに依頼したいとなった場合、具体的には、どうすればよいんでしょう?「日本全国対応」「打合せ不要で資格が取れる」となっていますが、そのあたりを詳しく聞かせてください。

はい。大事なところですね。

全省庁統一資格は、数回のメールのやり取りで、取得することができます。ご依頼者さまのほとんどは、メールのみで対応しています。中には実際にお会いしたいという方もいらっしゃるので、そういった場合には弊所にお越しいただいて、有料相談も実施させていただくことは可能です。但し、何度も言うように、原則、メールのみで何ら支障はありません。

なので、日本全国、どこからでも弊所にご依頼いただくことは可能です。つい最近は、鳥取県の事業者さまから全省庁統一資格の取得のご依頼を承りましたが、その際も、問題なく全省庁統一資格を取得できているのでご安心ください。

また、全省庁統一資格を取得した後の電子証明書とICカードリーダの取得についても、弊所で代行することが可能です。電子証明書とICカードリーダは、購入申込書類のほか、代表者さまの住民票や印鑑証明書が必要になるのですが、それらが揃えば、弊所にて購入申込書を作成し、実際に購入を申込、電子証明書とICカードリーダの受取まで行うことは可能です。

ただ、そのあとのパソコンの設定および利用者登録に関しては、すこし条件があります。私が、北海道や沖縄までいって、パソコンの設定や利用者登録をすることができればよいのですが、さすがにそこまでは手が回りません。なので、パソコンの設定や利用者登録については、東京都内の事業者さまに限り、ご訪問させて頂き、それ以外のお客さまについては、遠隔操作で対応させて頂いています。

参考までに言っておくと、弊所にご依頼いただく9割以上の方は、電子証明書とICカードリーダの購入、パソコンの設定、利用者登録の全てを弊所に丸投げして頂いています。

ー本当に「日本全国、打合せ不要で全省庁統一資格が取れる」わけですね。

もちろんです。ホームページに嘘は書きませんよ!

ー失礼いたしました。別に疑っていたわけでないないのですが、インターネット検索をしても、全省庁統一資格の申請に関するページは、ほとんどといっていいくらいスマートサイドさんの記事しかないもので…

そうですね。

それだけ、うちの事務所は経験豊富で、他の行政書士事務所に比べて、お客様にストレスを与えることなく、全省庁統一資格を取得することが可能ということでご理解を頂ければと思います。

全省庁統一資格の取得をご検討中の皆様へ

ーさすが、入札参加資格の専門家ですね。なんか、オーラみたいなものを感じます。それでは、最後に、全省庁統一資格の取得を検討している方々へ、横内先生からのメッセージがあれば、お聞かせください。

わかりました。

「全省庁統一資格を取りたい」と思っても、「どうやったら良いのか?誰に頼めばよいのか?わからない」という方は、大勢いらっしゃると思います。このインタビューの中に何回も出てきましたが、インターネット検索をしても、まともな情報が出てこない、わかりやすい情報が手に入らないといったのが現状です。

とはいうものの、省や庁の入札をあきらめるわけには行きませんね。こらから入札に参加しようとする方たちにとって、「入札参加資格の取得」は、目的ではなく単なる通過点にすぎません。全省庁統一資格なんて、とっとと取得して、その先の案件落札を主戦場にしなければならないわけです。

であるならば、全省庁統一資格の取得に、時間を割いて労力をつぎ込んでいる暇はありませんね。そんなことをしていたら経営者として失格です。費用対効果を考えてみれば、資格の申請や役所への手続きは、専門家に任せてしまったほうが、楽に決まっています。

私のお客様の中には、「自分でやろうと思ったけどできなかった」「インターネットを見たけど、さっぱり手続きが前に進まなかった」という方が決して少なくありません。全省庁統一資格の取得は、電子証明書の取得やパソコン設定などを含め、簡単な作業ではありません。ましてや、素人の方がやろうとすると「間違い」や「勘違い」といったリスクが必ず伴います。

私の事務所は、全省庁統一資格の取得を大変得意とした事務所です。

このインタビュー記事を読んで、困っている方がいれば、ぜひ、ご連絡を頂ければと思います。

ー今日は、長い時間、インタビューに丁寧に応じていただきありがとうございました。

こちらこそ。

このインタビューが全省庁統一資格を取得したいすべての事業者さまのお力になれば幸いです。ありがとうございました。

 

業務に関するご相談(有料)をご希望の方は、メールにてご予約ください。

    選択してください(必須)
    相談者1人1人への適切な対応、質の高い面談時間の確保の見地から、初回に限り、1時間11.000円の相談料を頂いています。

    ページトップへ戻る